トート・アズ・キャンバス アート&デザインアワード
第16回
エントリー作品詳細

NO.028
NAKO…dot…さん
作品名 Hexagon(ヘキサゴン)
作品についてのコメント
Hexagon(六角形)をdotで表現!(図案~型彫~色挿し~刺繍~内布=江戸紅型)
【写真1】表面/Hexagonの中にイニシャル『N』を忍ばせました!
【写真2】表面クローズアップ/白のフレンチノット(刺繍)で質感を!
【写真3】内布/中の開く際に江戸紅型が見え隠れする楽しみを!右上の背景にあるのが実際に使用した伊勢型紙
●模様の込められた想い:
・籠目(かごめ)
竹などで編んだ籠の網の目。現在でも伊勢神宮周辺の石灯籠には籠目が刻まれており、陰と陽、光と闇という相対する事象や調和を意味=邪気を祓う模様。
・亀甲(きっこう)
かめのこうら。またそれに形どった六角の模様。均整のとれた美しさとめでたい亀を象っているため六方に亀の恵みが及ぶという意味もあります。他に六角形は雪の結晶や蜂の巣(ハニカム構造)鉛筆やボルトなど身近に多く存在します。
・大小あられ
武家男性の裃(かみしも)に用いられたという江戸小紋の代表的な柄。「霰(あられ)」は、空から舞い落ちる、細かくパラパラと空を舞い、かすかな音をたてて地面に飛び跳ねる細かい大小の氷の粒。 自然模様。
●色:緑青(ろくしょう)
●刺繍:
・フレンチノット/さりげなくドッドを立体的に!
・サテンステッチ/三角の縁に彩りを!
画材
・伊勢型紙(渋紙)/丸きり/刷毛
・ターナー色彩株式会社 布えのぐ(ミントブルー・ネイビー)
・DMC 刺繍糸(ECRU・501・823)
・ボンド Gクリア
プロフィール
NAKO...dot...模様好き。型彫が好き。刺繍好き。
・江戸更紗(擦り技法・枚数型)5年
・江戸紅型(糊置技法・1枚型)2年
型彫に魅力を感じ月1回の染色教室に通い、半年に1作品作り上げています。通常の工程は分業ですが、教室では図案・型準備→型彫→糊置き→色挿し→蒸し・水洗と一貫作業で行なっています。
https://www.instagram.com/nako_dot/
苦労した点やアピールポイントなど
型彫の期間が2ヶ月(実質15日)と多くの時間を費やしました。私にとっては一番楽しい時間でもあります。
当初「StazOn」のスタンプで色をつけようと用意していましたが、ドットが小さくすぎてスタンプでは色がキャンバス地にのらず、最終的に刷毛(3本を使い分け)で2度塗りにて、やっと落ち着きました。
通常の生地と比べるとキャンバス地に伊勢型紙は「布えのぐ」が思いのか早く乾くためカスレ起こってしまい思うように色が表現できず苦労しました。
実際に「にじみ」もありますが「趣あるゆらぎ」として気にいっています。
内布は半年かけて染色教室で仕上げた生地です。反対側にある無地の白緑(びゃくろく)=白みを帯びた淡い緑色も染色教室で引き染めしました。この色挿しでの「色づくり」の工程も大好きな時間です。