トート・アズ・キャンバス アート&デザインアワード
第23回
エントリー作品詳細
NO.039
いとうなおさん
作品名 紙だって、バックになりたい、可愛くなりたい
作品についてのコメント
普段なら使い終わると捨てられてしまう紙の切れ端や、梱包材などの素材を、コラージュの一部として取り入れました。
さまざまな場所で役目を終えた紙たちを、切ったり、重ねたり、組み合わせたりしながら、ひとつのトートバッグという新しい形へ。
「紙だって、まだまだ違う姿になれる」という遊び心を込めています。
特にこだわったのは、表と裏で異なる世界を表現したことです。
表面は、さまざまな色や柄、素材を組み合わせたカラフルな世界。
紙の持つ自由さや楽しさ、そして新しく生まれ変わった姿を表現しました。
一方、裏面は色を抑えた世界に。
使い終えた紙や梱包材が古き良き紙たちが持っていた「過去」や、そこに残る時間をイメージしています。
ひとつのトートバッグの中に、「生まれ変わる前」と「生まれ変わった後」という二つの世界を作りました。
紙のシワや質感、印刷の跡なども、素材が持つ個性としてあえて残しています。
完璧に整えるのではなく、それぞれの紙が持つ偶然の表情を生かしながら、新しい物語をつくることを大切にしました。
画材
梱包材、廃材、包装紙、古雑誌、古切手、ダンボール、ミシン糸
プロフィール
ブライダル関係の仕事のかたわら、紙や身近な素材を使ったコラージュ作品を制作しています。
普段は、紙の切れ端や包装紙、梱包材など、日常の中で見つけた素材を組み合わせ、ひとつの世界をつくる「ジャンクジャーナル」を中心に制作しています。
何気なく捨てられてしまう紙にも、それぞれに色や形、質感、そして過ごしてきた時間があります。
そんな素材の個性や偶然の出会いを楽しみながら、自由に組み合わせ、新しい物語として生まれ変わらせることを大切にしています。
「捨てられるものにも、まだできることがある。」
そんな想いを、コラージュを通して表現しています。
苦労した点やアピールポイントなど
普段制作しているコラージュ作品に比べ、トートバッグという大きなキャンバスに作品を構成していくことに苦労しました。
小さな紙片を組み合わせるコラージュでは、一部分ずつ完成させていくことができますが、大きな面に配置すると、ひとつひとつの素材だけでなく、全体のバランスや視線の流れまで考える必要があります。
特に、表面は色や柄の異なる素材をたくさん組み合わせながら、まとまりのあるカラフルな世界にすることを意識しました。一方、裏面は白・ベージュ・黒を基調とした落ち着いた色合いでまとめ、表とは異なる静かな世界を表現しています。
また、紙の切れ端や包装紙、梱包材など、さまざまな素材を使用し、それぞれのシワや質感、印刷の跡などもあえて残しました。素材をきれいに整えすぎず、その素材だからこそ生まれる偶然の表情を作品の一部として生かしたこともこだわりのひとつです。
大きなキャンバスだからこそ生まれる難しさと向き合いながら、ひとつひとつの「紙のかけら」に新しい役割を与え、最終的にひとつのトートバッグとしてまとまるよう制作しました。