ROOTOTE

作品についてのコメント
棚のすき間から、耳だけ出してこちらの様子をうかがっている。バッグに収まりきれず、片足だけがはみ出している。すりガラスにくっきり映ったシルエット。まるでかくれんぼだ。試しにこちらもかくれてみると、猫はのたのたと探しにやってきた。かくしきれない自身の遊び心に愛嬌を見つけだす。これは世界の子どもたちと遊んだときの感覚に似ている。今にして思えば、あれは遊んでもらっていたのだ。感謝の気持ちを、この絵にかくしてみる。

画材
アクリル

プロフィール
1963年広島生まれ。三年間の海外放浪より帰国後、写真と執筆に携わる。
著書に、映画『月とキャベツ』写真集(ぶんか社)、
『モメントインピース』小説集(リトルモア)、
『東京遺跡』写真・小説集(メディアファクトリー)、
『道草者 -moment in peace』写真集(求龍堂)、
『あさやけのひみつ』絵本(扶桑社)、
『のら道』写真絵本(アートン)がある。
最新刊は『関西ルインズ』(東方出版)。